高卒の父親から学んだこと

2017.06.09

高卒の父親から学んだこと

 

今日6月9日は、父の誕生日です。御年71才。

一度は、癌で危うい時もありましたが、今は、マレーシアで大好きなビールも毎日飲んでいるようで、好きなことをして老後を楽しんでおります。

父は福岡の大家族に生まれたのですが、とても貧しい家庭だったようです。

小学生の時に、たしか学費か何かが払えなくて、とても辛い思いをしたとのこと。

大学も行きたかったようですが、高校卒業したら直ぐに就職して働いたお金の一部を親元に仕送りしてたようです。

 

最初は、大阪にあったNTT子会社で働いていたそうですが、母と結婚するために、滋賀県に本社のあるメーカーに転職しました。そこで40年近くサラリーマンとして働いていました。

高卒で転職組ということもあり、会社では不利な処遇が長年続いたようです。

それでも、人一倍、人を大切にしながら真面目に働いていたので、10年経ってから、高卒転職組としては、異例の出世をしたようです。

 

私はまだ小さかったので、父の会社の事情などよく分かりませんでしたが、子供ながらに、父が職場の方々から非常に慕われて信頼されているのを何度も見聞きしました(今でも社長さんや役員の方々がしたって連絡くださるようです)。

 

父の葛藤

そんな父でしたが、一度だけ、会社を辞めようと真剣に悩んだことがあったと聞きました。

それは、大学卒の上司から、大勢のいる社員の前で、罵倒されたことがきっかけだったようです。

高卒だった父は、それなりにプライドをもって働いていたのですが、上から目線の上司からの納得できない叱責に相当なショックを受けたようでした。

本気で会社を辞めようかと悩んだらしいのですが、我が子(私と妹:妹は今はこの世にはいません)のかわいい顔を見て、「自分のことだけで、辞められない!」と会社を続ける決意をしたようです。

高校時代に、父からこんな話を私は聞かされました。

高卒だった父は、大卒の上司からバカにされたことに怒りと虚しさもあったのでしょう、私には何としても大学に行って欲しかったようです。高卒であることによる理不尽な扱いを息子には受けてほしくなかったのでしょう。

 

学歴は全く関係ない

この話を聞かされた当時の私は、「そうなんだね。。」くらいにしか思ってなかったのですが、自分が大学生になり、社会人として会社に勤めるようになって、父の当時の思いを理解できるようになりました。

無名の関西の公立大学を卒業し、会社に入って感じたことは、学歴差別は確かに存在するということでした。大学間でも差別は存在していました(今はわかりませんが、依然としてあるでしょう)。

最初に入った大企業では、それは如実でした。父の時代とはかなりことなるのでしょうが、その時に父が感じていた理不尽さをやっと理解することができました。

このことが直接の理由ではないものの、私は、理不尽な扱いを受けたくないとの微かな思いもあって、大学院を目指すことを決めました。それも、普通の大学院ではなくて、海外の超がつくような一流の大学院を卒業しようと決めていました。

そして、JICAに入ってから、その目標は実現しました。ノーベル賞受賞者をを多数輩出する名門のLSEで修士号を取得しました。

ですが、帰国後、私が直面した現実は想定していたものと全く異なっていました。それは、『評価の基準』の序章でお伝えしているとおりです。

 

父から学んだこと

大学院卒ということが、逆に職場での評価をさげる要因になりました。私は、その時、自分が間違っていたことに気がつきました。

父の悔しい思いにどこかで応えようとしていた自分でしたが、それは本当は正しいあり方ではありませんでした。

私が理解すべきは、父が色々不利な立場にいながらも、職場の大勢の人から慕われ、尊敬されていた、「父のあり方」でした。

学歴など全く関係なかったのです。

『評価の基準』(以下ご参照)は、実は、父から学んだことがベースにもなっています。

このことは、書籍では触れていませんが、私が本書を世に送り出す際のコアな部分になっています。

そして今日、父が71才の誕生日を迎えるに当たって、本書が『日本経済新聞の朝刊1面』に取り上げられたことは、父への恩返しなったと思います。

最高のプレゼントを贈ることができたと思います。

家族を守るために、理不尽さを乗り越えて、サラリーマン人生を最後まで送った父。

お父さん、今まで本当にありがとうございます。

バカ息子ですが、少しは、これで親孝行ができたかな。

いつまでも元気でいてください。

 

   

 

『評価の基準』の概要

●思ったように「評価されない」と悩むビジネスパーソンの方へ
ビジネスパーソン1000人を対象に行った調査によると(日経ビジネスアソシエ:2016年)、職場の人間関係の悩みのトップは「正当に評価されていない」というもの。頑張っているのに、自分が思うような評価をもらっていないと漠然と悩んでいるビジネスパーソンに、都市銀行、JICA(国際協力機構)、外交官(外務省OECD日本政府代表部一等書記官)と、さまざまな優秀な人材があつまる組織に身を置いてきた著者が、組織心理学の知見をベースに「正しく」評価される人に共通する、日々の小さな習慣、ふるまいを紹介します。

●「評価=人事評価」ではない!
心理学を紐解くと、「正しく評価されていない」という悩みには、「自分の存在が認められていない」という心理的欠乏状態を表しています。人事評価で得られるのは「金銭的報酬」「地位的報酬」だけであり、心理的欠乏感を満たす「心理的報酬」は得ることができません。心理的報酬とは、「自分が必要とされている」「自分がしっかり貢献できている」「自分が成長できている」と言った心理的実感を感じることによって、初めて手にすることができるものですが、そうした心理的報酬を得るために、「組織で何をすべきか?」「自分はどうあるべきか?」などの悩みに応える処方箋を対人関係を軸にまとめました。

ー目次ー

はじめに

序章
●あなたは“正しく”評価されたいですか?
●評価される人に必要な「第3の報酬」
●私の経験?社会人デビューでいきなりの挫折
●イギリス有名大学の修士学をもってしても、認められない!?
●私を変えた、部下の小さなひと言
●正当に評価されるための3つのポイント
●正しく評価される人と評価されない人の、ちょっとした差

第1章「あいつに任せよう」を引き出すための小さな習慣
1 「認めてほしい」という前に上司を認める
2 タイムリーなムダ話で人を巻き込む
3 話をまとめるときは隣に座る
4 報告のタイミングを間違えない
5 最後の一筆だけは相手に入れてもらう
6 要望に応える前に、要望の本質を見抜く
7 相手の意見には合わせず「受け止める」
8 苦手な上司からは昔話を聞く

第2章 「この人について行きたい」と人をひきつけるための小さな習慣
1 「決めつけ言葉」で話しかけるのはやめる
2 相手が落ち込んでいるときは、ただ「待ってあげる」
3 部下を理屈で説得するより、体験で共感させる
4 職場を抜けて2人だけの空間と時間をつくる
5 成功体験よりも失敗体験を上手く使う
6 「ありがとう」の代わりの言葉を見つける
7 出る杭には「いいね!」を連発する
8 目立たない人は人前でほめない

第3章 「あの人やるね!」と周りの見る目が変わるための小さな習慣
1 知りたい情報はあえて聞かない
2 反対意見は「相手を否定しないで」伝える
3 会議では「違和感」に対して敏感になる
4 会議では「賛成」「反対」「それ以外」の3つを考える
5 非言語で対話する
6 「調整役」を買って出ることで、信頼をつかむ
7 相手が本当にほしい情報は流さず「溜める」
8 3つの目線で物事を解決する
9 お互いに忙しいときほど足を運んでワンメッセージを大事にする

第4章「自分にYes!」を出すための小さな習慣
1 人から与えられた課題を「自分ごと化」する
2 与えられた環境に流される
3 困難は熱いうちに「叩く」
4 小さな成功体験を自分でほめてみる
5 恩は返さず、「引き継ぐ」
6 自分の「得意」より相手のニーズを優先する
7 残業を仕事にしない
8 社外人の表情から学ぶ
9 自分との約束を優先する
10 今日の自分より優れる

おわりに

著者紹介

株式会社Link of Generation代表取締役 國武大紀(Daiki Kunitake Mr.)  
                                                     
1972年生まれ。滋賀県長浜市出身。
元外交官(外務省OECD日本政府代表部一等書記官)
ロンドン政治経済大学院(LSE) 組織心理学修士号(2009年)
神戸市外国語大学(外国語学部国際関係学科)卒業(1996年)

大学卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)に入行するも、努力しても認めてもらえない自分に失望し、わずか1年半で退職を決意。社会人として最初の挫折を味わう。自分の行き場を見失い、様々な職業を転々とするが、一念発起して奇跡的にJICA(国際協力機構)に就職。以後16年間にわたり、発展途上国の国際協力に従事。

世界40カ国以上を渡り歩き、計300件を超える発展途上国の組織開発やグローバル・リーダー人材の育成などで実績を上げる。職場での活躍が評価されて上司からの推薦を受け、社内選抜の留学試験に合格。 数々のノーベル賞受賞者や各国首脳等リーダーを輩出してきたLSE(ロンドン政治経済大学院)に留学し、組織心理学の修士号を取得する。名古屋大学大学院(国際開発研究科)客員准教授として指導してきた経歴も有する組織心理学のプロフェッショナル。

また、JICA労働組合の執行委員長を歴任するなど、組織改革の実績も多数。その後、外交官(OECD日本政府代表部一等書記官)として、日本政府の国際援助政策の政策立案や国際交渉の第一線で活躍、外務省から最高の人事評価を得る。数々の挫折や職業経験を通じて得た懐の深さと多様な発想を持つ人柄に魅了される人は多い。

現在は、リーダーシップ開発や組織変革を専門とするコーチ兼コンサルタントとして活躍し、多数の経営者やリーダーの育成を支援している。

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