会話が続かない人は何が原因なんでしょうか?
結論から言ってしまうと「聞く力」がないからです。
上手に話ができないとか会話が下手だからではありません。
「気の利いた話ができない」とか、
「話すのが苦手だから」とか、
「内気だから」とか、
言われますが、本質的には「聞く力」が不足しているからです。
会話というのは、自分と相手との「キャッチボール」のようなもの。
例えば、
相手が投げてきたボールを受け取れない、あるいは受け取ろうとしなければ、キャッチボールは続きませんから、「受け取る力(聞く力)」がないと会話はそもそも続かないのです。もちろん、ボールを投げる側に立てば、相手が受け取りやすいボールを投げる力も必要ですが、相手が受け取りやすいボールがどんなボールなのかを知らないと投げようもありません。
つまり
相手を知ることが必要ですが、相手を知るには、まず「相手を聞く」ことが大切なのです。裏を返すと、聞く力を身につければ、殆どの場合、会話を続けることができます。仮に内気な人であってもなんら問題はないのです。
では、会話が続かない人は何が間違っているのでしょうか?
端的に言えば、「聞き方」が間違っているからです。
例えば、こんな感じです。
【会話が続かない例】
話し手「昨日仕事で上司に怒られちゃった。。」
聞き手「ふ~ん。そうなの。」
話し手「私のミスじゃなくて同じ課のメンバーのミスで。」
聞き手「仕事の話してて面白い?」
話し手「・・・。」
効果的でない聞き方とは、
①リアクションがない
②話の流れを理解していない
③相手に意識を向けていない(自分本位)
です。
まず、「リアクションがない」についてですが、これは、相手の感情の動きに反応していない状態を言います。
この会話の例では、相手が辛い気持ちになっていますが聞き手がリアクションしていません。話の内容がよく分からなくてもまずは相手の感情に寄り添って反応すると、相手は嬉しく感じるのです。
これを「共感」とい言います。
共感とは、相手と考えが異なっていても、相手はそう感じているんだと感情のチャンネルを合わせることです。同意や同調とは異なります。
次に、「話の流れを理解する」ですが、これには二つの意味があります。一つは、「話の内容」を理解するということ。もう一つは、「相手の感情」を理解するということ。この二つを
理解することはとても大切です。
この会話の例の場合、話し手が職場で辛いことがあって話を聞いて欲しいことは話の流れからも明らかです。自分自身には非がないのに、同じ課のメンバーのミスで上司に怒られて辛い思いをしている。ですが、聞き手は面倒に感じてしまったのでしょうか?
「仕事の話をしてて面白い?」
と相手を拒絶するかのような言葉を返してしまいました。これでは、話し手はもう何も話せなくなってしまいます。話し手にとっては「この人は私を理解してくれない人」という風に受け取ってしまうでしょう。そうするとお互いの関係性は希薄になっていきます。もし、聞き手が「相手と距離を置きたい」という意図を持っているなら話は変わるのですが、そうではなく、「相手との関係性を保ちたい」と思っているなら、このような反応は効果的ではありません。
そして最後は
「相手に意識を向けていない」
です。
相手と関係性を深めたいのであれば、相手に意識を向けて相手が話したいことを聞いてあげる姿勢が必要です。
「仕事の話してて面白い?」
は本音かもしれませんが、自分本位な聞き方。話し手はもうボールを返そうとは思わないでしょう。相手と関係性を深めたいという意図を持っているなら相手に意識を向けてあげる必要があります。
では、上記3つのポイントを意識して、会話が続くパターンを見てみましょう。
【会話が続く例】
話し手「昨日仕事で上司に怒られちゃった。。」
聞き手「そうだったの!大変だったね」
話し手「私のミスじゃなくて同じ課のメンバーのミスで。」
聞き手「それは辛いね。よかったら話聞くよ」
話し手「ありがとう!少しだけ聞いてくれる?」
この例のように、話し手が辛い思いをしていることを理解しながら、相手の感情の動きにリアクションして、相手に共感しながらボールを返してあげると会話は自然とつながっていきます。自分が職場の話題に興味がなくても、相手が話したいことを聞いてあげるだけで会話は続いていくのです。会話が続かない人は、会話が下手なのではなく「聞く力」がないから。
聞く力をまず持つこと。
そのためには、相手に意識を向けて、相手の感情に寄り添い、反応する。
それだけで、相手は嬉しく感じるものです。細かいテクニックは他にもありますが、まずはこれだけを実践してみてください。
話し下手であっても、十分に会話を続けていくことができるでしょう。相手との関係性も深まっていきますよ(^.^)